高校古典 / 文法基礎

古典の助動詞 完全ガイド

意味・接続・活用を、例文で身につけよう

助動詞とは? 動詞の末尾にくっついて、意味を付け加える語です。
例:「行く」→「行か(打消)」「行きけり(過去)」「行くべし(推量)」
助動詞を読めると、古文の意味がぐっとわかるようになります。

📌 接続のまとめ — どの形につくか

未然形につく
る・らるす・さすしむ む・むずまし まほし
連用形につく
き・けりつ・ぬ たりたし けむ
終止形につく
らむらしめり べしまじ なり(推定)
体言・連体形につく
なり(断定)たり(断定) ごとし
る・らる ru / raru
受身 尊敬 自発 可能
接続:未然形(ア段→る、それ以外→らる)
足を狐に食は
→ 足を狐に食われる。(受身)
す・さす su / sasu
使役 尊敬
接続:未然形(ア段→す、それ以外→さす)
人を走ら
→ 人を走らせる。(使役)
zu
打消
接続:未然形
知ら
→ 知らない。
ki
過去(直接体験)
接続:連用形(「来」は未然形にも)
昨日見
→ 昨日(私が)見た。
けり keri
過去(伝聞・詠嘆)
接続:連用形
昔、男ありけり
→ 昔、男がいた(そうだ)。
tsu
完了(強意・確述)
接続:連用形
風吹き
→ 風が吹いてしまった。
nu
完了(強調)
接続:連用形
春立ち
→ 春が来てしまった(完全に)。
たり tari(完了)
完了・存続
接続:連用形
咲きたる花。
→ 咲いている花。(存続)
む・むず mu / muzu
推量 意志 勧誘・仮定・婉曲
接続:未然形
明日行か
→ 明日行こう。(意志)
べし beshi
推量 意志・当然 可能・命令・適当
接続:終止形
急ぐべし
→ 急ぐべきだ。(当然)
らむ ramu
現在推量 原因推量・婉曲
接続:終止形
今ごろ何をするらむ
→ 今ごろ何をしているだろう。
まし mashi
反実仮想 ためらいの意志
接続:未然形
知らましかば。
→ 知らなかったなら(よかったのに)。
ji
打消意志 打消推量
接続:未然形
二度と行く
→ 二度と行くまい。(打消意志)
まじ maji
打消推量・打消当然 禁止・不可能
接続:終止形
そは言ふまじ
→ それは言うべきではない。
なり nari(断定)
断定 存在・所在
接続:体言・連体形
これ山なり
→ これは山である。
なり nari(推定)
推定(聴覚) 伝聞
接続:終止形
風吹くなり
→ 風が吹いているようだ。(音で推定)
たり tari(断定)
断定
接続:体言
武士たる者。
→ 武士である者。
ごとし gotoshi
比況(〜ようだ)
接続:連体形・体言+の
夢のごとし
→ 夢のようだ。
まほし mahoshi
希望(〜したい)
接続:未然形
花を見まほし
→ 花を見たい。
たし tashi
希望(〜たい)
接続:連用形
都へ帰りたし
→ 都へ帰りたい。

📖 主要助動詞 活用表

助動詞 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ず・ざらず・ざりぬ・ざるね・ざれざれ
べしべからべく・べかりべしべき・べかるべけれ
(せ)しか
けりけりけるけれ
つるつれてよ
ぬるぬれ
るるるれれよ
らるられられらるらるるらるれられよ
なり(断定)ならなり・になりなるなれなれ

💡 助動詞を攻略する3つのコツ

1
接続から覚える 「どの活用形につくか」を先に覚えると、文中で助動詞を見つけやすくなります。未然形・連用形・終止形の3パターンで8割を占めます。
2
意味は文脈で絞る 同じ助動詞でも意味が複数あります(例:「なり」は断定か推定か)。接続と文脈を合わせて判断する練習をしましょう。
3
例文で覚える 活用表の丸暗記より、例文の中で「この形だからこの意味」と体で覚える方が定着します。教科書の本文を音読しながら確認するのが効果的です。